解説H13 キチン・キトサン(1)
C3
Q:キチン・キトサンの製造方法と成形方法
A:粉
砕したカニ殻を数%の苛性ソーダ水溶液で加熱してタンパク質を、塩酸で処理してカル
シウム分を除くとキチンが得られる。これをさらに40〜50%の苛性ソーダ水溶液中
で加熱すればキトサンが得られる。キチンは溶解、溶融が困難で、
特殊な溶媒を使って溶解、成形する。それに比べ、キトサンは溶解性がよい。溶媒にとかしたキチン、キトサンを乾燥させたり、凝固液中に入れて不溶化させ、成形体とする。
添付ファイル:キチンはカニ殻、エビ殻に20〜30%含まれており、このほか昆
虫の表皮、キノコ、イカの甲(胴体の内側にある、透明で骨のようなもの)に含まれて
いる、N−アセチルグルコサミンが鎖状につながった多糖の一種である。セルロースと
よく似た化学構造をもっており、地球上でセルロースに匹敵
するほどの量が生物によって生み出されている。キトサンはキチンを脱アセチル化して得られる、グルコサミンが鎖状につながったもので、いろいろな用途展開がされている。
まず、粉砕した
カニ殻を数%の苛性ソーダ水溶液中で加熱してタンパク質を除き、次いで塩酸につけて
カルシウム分を除くと固体状のキチンが得られる。
脱タンパクと脱灰の順は逆でもよい。さらにキトサンを得るには40〜50%の苛性ソーダ水溶液中で加熱すればよい。最近ではイカの甲からとれるキチンも注目されている。
キチン及びキト
サンは通常のプラスチックのようには成形できない。キチンは分子間で強く水素結合し
ていて溶融成形はできず、また一般の溶媒には簡単に溶けない。ギ酸+ジクロロ酢酸、
トリクロロ酢酸+ジクロロエタン、ジメチルアセトアミド+塩化リチウム、メタンスル
ホン酸、メタノール+塩化カルシウム・2水和物、10%苛性ソーダ水溶液等特殊な溶
媒に溶ける。強酸を使う場合、キチンの分解は避けられない。キトサンはずっと溶解性
がよく、塩酸、ギ酸、酢酸、乳酸、クエン酸等の希薄水溶液に溶ける。キチンやキトサ
ンをこのような溶媒に溶解してから、ガラス板などに平らに流して乾燥させるか、凝固
液中に入れて不溶化させる
ことによりフィルムが得られる。凝固液中に細いノズルから連続的に引き出せば繊維に、一滴ずつ滴下すればビーズになる。他の材料の表面にコーティングすることもできる。
参考文献:
1.相羽誠一、“キチン・キトサンの利用”、染色研究45(4)112-116 (2001).
2.キチン、キトサン研究会編、“キチン,キトサンハンドブック”、技報堂出版(1995)
3.相羽誠一、“有用資源キチン及びキトサンの話、日本とタイとの共同研究”、通産ジャーナル、
32(4),72-73(1999)
4.相羽誠一、“キチン及
びキトサンの成形技術に関する展望とN−アセチル化によるN−アセチルキトサンゲルの調製条件の検討”、製品科学研究所研究報告、No.112,33-53(1988)
5.鈴木茂生監修“天然資源キチン・キトサンの活用法”、財界特別増刊11-30、財界研究所(1998)
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